概要 | 小児麻痺の引き金であるポリオを予防するワクチンで、平成24年8月までは経口の弱毒生ワクチンを2回接種していたが、ワクチン関連麻痺が100万人に1.4人程度の頻度で起こる可能性が示唆されたため、平成24年9月以降から不活化ワクチン4回接種に切り替わった。 |
対象年齢と接種法 | 生後3ヶ月から生後12ヶ月までの間に標準的には20~56日の間隔をあけて3回接種する。4回目の追加接種は初回接種終了後6ヶ月以上、標準的には12~18ヶ月の間隔をあけて1回接種する。 |
副反応 | ①過敏症:接種後2日以内でじんましんなど、極めて稀 ②局所反応:接種部位の腫れや痛み、1~3日がピークで10~20%の頻度 ③嘔吐や下痢は1~10%の頻度 |
概要 | 三種混合ワクチンは百日咳、破傷風、ジフテリアを防ぐワクチンでⅠ期ワクチンを4回接種する。 |
対象年齢と接種法 | 生後3ヶ月以降生後90ヶ月までの間に4回接種する。標準的には生後3~12ヶ月の間に20~56日までの間隔をあけて3回接種する。4回目の追加接種は初回接種終了後6ヶ月以上、標準的には12~18ヶ月の間隔をあけて接種する。 |
副反応 | ①接種部位の変化、発赤、疼痛:接種後7日までにみられ、第1回で14%、その後は頻度が増加し、追加接種では41.5%に達する。この局所反応が肘を越えて腫れた場合は医師の診察が必要である。局部の腫脹は数日で消失するが、硬結が数ヶ月持続することがある。 ②発熱:接種後2日目までにみられ、頻度は2%未満である。 |
概要 | 三種混合ワクチンで受けた場合、破傷風とジフテリアに対する強化免疫のためのワクチンでDTⅡ期ワクチンと呼び1回接種する。 |
対象年齢と接種法 | 三種(DPT)Ⅰ期ワクチンが終了している場合に、11歳以上13歳未満で1回接種する。 |
副反応 | ①接種部位の変化、発赤、疼痛:接種後7日までにみられ、第1回で14%、その後は頻度が増加し、追加接種では41.5%に達する。この局所反応が肘を越えて腫れた場合は医師の診察が必要である。局部の腫脹は数日で消失するが、硬結が数ヶ月持続することがある。 ②発熱:接種後2日目までにみられ、頻度は2%未満である。 |
概要 | 三種混合ワクチンは百日咳、破傷風、ジフテリアを防ぐワクチンでⅠ期ワクチンを4回接種する。 |
対象年齢と接種法 | 生後3ヶ月から生後90ヶ月までの間に4回接種する。標準的には生後3~12ヶ月までの間に標準的には20~56日までの間隔をあけて3回接種する。4回目の追加接種は初回接種終了後6ヶ月以上、標準的には12~18ヶ月の間隔をあけて接種する。 |
副反応 | ①接種部位の変化、発赤、疼痛:接種後7日までにみられ、第1回で14%、その後は頻度が増加し、追加接種では41.5%に達する。この局所反応が肘を越えて腫れた場合は医師の診察が必要である。局部の腫脹は数日で消失するが、硬結が数ヶ月持続することがある。 ②発熱:接種後2日目までにみられ、頻度は2%未満である。 |
概要 | インフルエンザ菌b型(ヒブ)による乳幼児の重症感染症(肺炎、敗血症、髄膜炎)の発病を阻止するワクチンです。 |
対象年齢と接種法 | 生後2ヶ月から60ヶ月(5歳)未満の間に4回接種する。接種方法は27日以上の間隔で3回、4回目は1歳以降で1回目の注射から概ね1年をあけて接種する。初回接種が7ヶ月以降12ヶ月未満で始まる場合には3回接種(27日以上の間隔で2回、3回目は概ね1年後)、接種開始が1歳以上5歳未満で始まる場合には1回だけ接種する。 |
副反応 | ①発熱:37.5℃以上の発熱が2.5%の頻度で、多くは2日以内にみられる。 ②注射部の変化:接種後2日以内に注射部の発赤、腫脹、疼痛が20%前後にみられる。 ③その他:号泣、不機嫌、嘔吐、傾眠など |
概要 | 肺炎球菌には現在90種以上の亜型があり、肺炎球菌による乳幼児の重症感染症(肺炎、敗血症、髄膜炎)の発病を阻止するワクチンであり、ヒブワクチンと合わせて接種する。7価のワクチン(PCV7)からスタートしたが、平成25年11月1日から13価のワクチン(PCV13)に変更された。 |
対象年齢と接種法 | 生後2ヶ月から60ヶ月(5歳)未満の間に4回接種する。接種方法は27日以上の間隔で3回、4回目は1歳以降であり3回目の注射から60日以上、標準的には3回目から12?15ヶ月後に接種する。初回接種が7ヶ月以降12ヶ月未満の場合には3回接種(27日以上の間隔で2回、3回目は1歳以降で2回目の注射から60日以上あけて)、接種開始が12ヶ月以上24ヶ月未満の場合には2回(60日以上あけて2回)、接種開始が24ヶ月以上9歳未満は1回(ただし無料接種は5歳未満まで)接種する。なお、過去に7価のワクチンを4回接種した場合には13価のワクチンを強化免疫として追加接種する。追加接種は有料となる。 |
副反応 | ①発熱:1~4回目まで37.5℃以上の発熱が15~25%の頻度で、多くは4日以内にみられる。 ②注射部の変化:接種後2日以内に注射部の発赤、腫脹、疼痛が70~80%の頻度でみられる。 ③その他:不機嫌、傾眠など。 |
概要 | 結核に対するワクチンで1回接種する。 |
対象年齢と接種法 | 生後3ヶ月から12ヶ月までの間に1回、標準的には生後5ヶ月から8ヶ月までの間に接種する。 |
副反応 | ①針痕部の発赤、膨隆、化膿:接種後10日以降で1ヶ月で最高、接種3ヶ月頃までに小さな瘢痕のみとなる ②わきの下のリンパ節腫大:接種後1ヶ月頃に0.7%の頻度でみられ、数ヶ月の経過で縮小するが、稀に化膿性となり、排膿処置が必要である。 ③その他:皮膚結核様反応(多型滲出性紅斑)、骨炎、全身性BCG炎などの報告があるが極めて稀である。 |
概要 | 麻疹や風疹を防止するためのワクチンで2回接種する。 |
対象年齢と接種法 | 1回目は生後12ヶ月から24ヶ月未満、2回目は5歳以上7歳未満(小学校入学前の1年間)に接種する。 |
副反応 | ●麻疹ワクチン ①発熱:接種後5~14日後に38-39℃前後の熱が1-2日みられる。頻度は10-13%と高い。 ②発疹:接種後5~14日後に少数の紅斑や丘疹がみられ、自然麻疹に近いものもある。頻度は6%前後である。 ③その他:熱性痙攣、じんましん、アナフィラキシーショック、脳炎・脳症、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)が稀にみられる。 ※接種後2週間は避妊してください。母乳は続けても構いません。 ●風疹ワクチン ①発熱:接種後5~14日後に38~39℃の熱がみられる。頻度は4-5% ②発疹:接種後5~14日後に身体に発疹がみられる。頻度は1.3% ③リンパ節腫脹:接種後5~14日後にリンパ節がはれる。頻度は0.6% ④関節炎:成人女性への接種で接種後1~2週後に関節炎(関節痛と関節腫脹)がみられるが、数日から1週で治癒する。 ⑤その他:血小板減少性紫斑病の惹起(まれ) ※接種後2週間は避妊してください。母乳は続けても構いません。 |
概要 | 水痘帯状疱疹ウイルスで起こる感染症(水痘や帯状疱疹)の発病を防ぐワクチンです。 |
対象年齢と接種法 | 生後1歳以降で3~6ヶ月以上の間隔で2回接種する。 |
副反応 | ①ハイリスク(免疫不全症、白血病や癌患者、膠原病)児で接種後14-30日に発熱を伴う丘疹や水疱性発疹が出現する。 ②健常児ではほとんど副反応はないが、時に発熱、発疹、接種部の発赤、腫脹、硬結がみられる。 |
概要 | 日本脳炎ウイルスはブタの体内で増殖する。ウイルスがブタに感染してもブタは発病しないがウイルスはブタの体内で増殖する。そのブタの血を吸った蚊(コガタアカイエカ)が人を刺すとウイルスが伝播され5~15日の潜伏期間後に日本脳炎を発病する。日本脳炎を防ぐ方法の一つが蚊の撲滅と蚊に刺されないようにすることであるが、ワクチンを接種することでも発病を阻止できる。 |
対象年齢と接種法 | Ⅰ期ワクチンは生後3ヶ月から90ヶ月までの間に3回接種する。標準的な接種スケジュールは3~6歳の間に1回接種後は6日以上あけて2回目、1年後に3回目を接種する。Ⅱ期ワクチンは9歳から13歳未満に1回接種する。 |
副反応 | ①発熱:37.5℃以上の発熱が1.6%にみられる。多くは2~3日以内にみられる。 ②注射部の変化:接種後2日以内に注射部の発赤、腫脹、疼痛が11%前後にみられる。 ③その他:急性散在性脳脊髄炎(ADEM)は稀。 |
概要 | ヒトパピローマウイルスには現在100種類以上の亜型があり、性行為によって感染する。引き起こされる疾患は子宮頸癌や尖圭コンジローマ、外陰上皮内腫脹(膣上皮内腫脹)などである。子宮頚癌の発癌ウイルスは「ヒトパピローマウイルス(HPV)16型と18型」の感染により、尖圭コンジローマはHPV6型、11型ウイルスの感染により発症するとされる。本邦では子宮頸癌により毎年2,700人の死亡が報告されており接種の必要性が求められる。 |
対象年齢と接種法 | ワクチンには2種類あり、2価ワクチン(HPV16型と18型)、4価ワクチン(HPV16型、18型、6型、11型)で、2価ワクチンは子宮頸癌、4価ワクチンは女性の子宮頸癌と男性の尖圭コンジローマに有効なワクチンである。本邦では10~14歳の女性、次に15~26歳の女性、さらに27~45歳の女性への接種が勧められている。接種法は3回接種で、1回接種後1ヶ月後と6ヶ月後に2回追加接種する。 |
副反応 | ①注射部の局所反応が強い:注射部の発赤(88%)、腫脹(78%)、疼痛(90%)。 ②全身性反応:疲労感(58%)、筋肉痛(45%)、頭痛(38%)、胃腸症状(25%)、関節痛(20%)、発熱(5%)、じんましん(2%) ③その他:重篤な副反応は3名(0.003%)で死亡例はない。心身反応性疼痛とされる。 |
概要 | ロタウイルスの感染により起こる急性胃腸炎や急性脳症(高熱とけいれん)を予防するワクチンで1価ワクチンと5価ワクチンとの2種類がある。 |
対象年齢と接種法 | ワクチンは経口ワクチンで生後6週から接種できる、1価ワクチンは生後24週(6ヶ月)までの間に4週以上あけて2回、5価ワクチンは生後32週(8ヶ月)までに4週以上あけて3回接種する。 |
副反応 | ①1価ワクチン:易刺激性、下痢(1~10%)腹痛 ②5価ワクチン:下痢(5.5%)、嘔吐(4.2%)、発熱(1.3%) ③その他:5価ワクチンで腸重積がみられたとの報告がある。 |
概要 | おたふくかぜウイルスの感染により、耳の下の腫れ(耳下腺腫脹)、発熱、頭痛、倦怠感などがみられる病気で、時には無菌性髄膜炎、睾丸炎、卵巣炎、ムンプス難聴、膵炎などの合併症を引き起こす可能性がある。治療法はなく、解熱剤や鎮痛剤で治るのを待つしかない。 |
対象年齢と接種法 | ワクチンは2回接種で、1回目は1~2歳、2回目は5歳以上7歳未満(小学校入学前の1年間)に接種する。 |
副反応 | ①耳下腺腫脹:接種後2~3週後に2~3%の頻度で一過性に腫れる。 ②発熱:接種後2~3週に2~3%の頻度で出現する。 ③無菌性髄膜炎::接種後2-4週頃に数千人に1人の割で出現する。 |
概要 | B型肝炎ウイルスによる感染を防ぐためのワクチンで、急性B型肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌を未然に防ぐことに繋がる。 |
対象年齢と接種法 | 以下の3種類の方法がある。 ①母親がB型肝炎ウイルスのキャリア(保菌者)であるが出生児が満期産児の場合 出生後12時間以内(遅くとも48時間以内)にB型肝炎ワクチンと抗HBV免疫グロブリンの同日注射を行う。B型肝炎ワクチンはさらに生後1ヶ月(初回接種から1ヶ月後)と生後6ヶ月(初回接種から6ヶ月後)の2回追加接種する。ワクチンの接種量は10歳未満であれば1回0.25mlである。なお、HBV感染の有無や抗体価を調べる検査は出生直後(可能なら)および生後9~12ヶ月に血液検査を実施しHBs抗原とHBs抗体検査(EIA法またはRIA法)を調べる。これら一連の検査と治療は健康保険の適応内であり、自己負担金は発生しない。HBs抗原が陽性となれば専門医療機関でB型肝炎ウイルス感染症として精査する。 ②母親がB型肝炎ウイルスのキャリア(保菌者)で、2,000g以下の低出生体重児および出生後に何らかの外科的処置(手術)を要する場合 出生直後(できれば生後12時間以内)にB型肝炎ワクチンと抗HBV免疫グロブリンの同日注射を行う。その後B型肝炎ワクチンを生後1ヶ月(初回接種から1ヶ月後)、生後2ヶ月(初回接種から2ヶ月後)と生後6ヶ月(初回接種から6ヶ月後)の3回実施する。ワクチンの接種量は10歳未満のため1回0.25mlとなる。ただし、生後2ヶ月(初回接種から2ヶ月後)のワクチンは自費ワクチンとなる。HBs抗原が陽性となれば専門医療機関でB型肝炎ウイルス感染症として精査する。 ③上記に該当しない場合 接種時期に規定はない。3回のワクチン接種が基本となる。 4週間隔で2回、さらに1回目から24週後(6ヶ月)に接種する。家系内(兄弟、父親、祖父母など)にキャリアいる場合には積極的に接種すべきである。ワクチンの接種量は10歳未満は1回0.25ml 、10歳以降~成人が1回0.5mlである。ワクチン接種は有料である。 |
副反応 | ①副反応などほとんどみられない。 ②注射部の変化:注射部の発赤、腫脹、疼痛も稀。 ③その他:稀にラテックス過敏症がみられる |
概要 | 汚染された水や食品を介して発病する急性肝炎で発熱、全身倦怠、頭痛、腹痛、下痢、黄疸、肝腫大などがみられる。致死率は0.1%以下でありアフリカや東南アジア、中南米など感染地域への出張や旅行する場合に接種する。本邦での流行はないが流行地からの輸入感染があり注意が肝要である。 |
対象年齢と接種法 | 平成25年3月から小児を含め全年齢で接種できるようになった。小児または成人に2~4週間隔で2回、その後は初回接種から24週(6ヶ月)後に追加接種する。 |
副反応 | ①副反応は6.0%の頻度で、接種部の発赤や疼痛で、他に全身倦怠感、発熱、頭痛がみられるが、一過性で軽快する。 |
概要 | 狂犬病ウイルスに感染した動物(イヌやネコ、キツネ、アライグマ、スカンクコウモリなどの野生動物)に噛まれた後、多くは1~3ヶ月の潜伏期間で発病しほぼ100%が死亡する疾患です。本邦での発病はないが、アフリカや東南アジア、中南米など流行地へ行く場合は予防接種が推奨される |
対象年齢と接種法 | 小児を含め全年齢で接種できる。4週間隔で2回、さらに6~12ヶ月後に追加接種を1回受ける。 |